2010年07月21日
PVC国内出荷が2期連続プラス、中原VEC会長「一時の不況から脱しつつある」と語る
【カテゴリー】:実績/統計
【関連企業・団体】:塩ビ工業・環境協会

塩ビ工業・環境協会(VEC)は21日、6月の塩化ビニル樹脂(PVC)生産出荷実績を発表した。それによると生産は11万5,739トンで前年同月比9.2%減であるが、4〜6月合計では39万4,906トン、前年同期比2.2%増で昨年7〜9月期以来4期連続のプラスとなった。

一方、6月の国内出荷は8万8,717トンで前年同月比11.0%増、4〜6月期は24万2,650トンで前年同期比9.5%増となり、1〜3月期に続いて2期連続の前年比プラスとなった。これについてVECの中原茂明会長(トクヤマ会長)は「実感としては、八割程度戻ったと思う。一時の不況から脱しつつある感じがする」と語った。もっとも、「だが、不安を感じさせられているのも事実だ」と指摘した。その理由については「中国に、ひと頃の勢いがないと感じるからだ」と分析している。

その危惧は、PVC輸出にも表れている。6月の輸出は4万7,091トンで前年同月比7.2%減、4〜6月期で14万8,180トン、前年同期比12.6%減と落ち込んでいる。これは、「中国が買え控えたため輸出価格が下落し、輸出意欲が減退したのが要因」(宮島正紀・VEC副会長=信越化学工業取締役)である。もっとも「最近、アジアの価格は下げ止まった感じがある」(同)というが、先を読みにくい状況に変わりはないようだ。


ニュースリリース参照
○塩ビモノマー
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1279688597.xls

○塩ビ樹脂
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file2_1279688597.xls