2001年03月22日
昭和電工、米セイケム社とフォトレジスト向け原液事業で提携、SJLに資本参加
アジア地区の販売を統合、東長原事業所の生産能力を倍増
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:昭和電工

 昭和電工は22日、半導体用ポジ型レジスト現像液の原液であるTMAH(テトラ・メチル・アンモニウム・ハイドロオキサイド)事業で、世界最大メーカーであるセイケム社(Sachem)との提携に合意した、と発表した。
 TMAHは、半導体フォトレジストやTFT液晶用現像液の原液に用いられ、世界の市場規模は2000年の約3万トンから、2004年には4万トン超への成長が見込まれるなど、今後需要の拡大が見込まれている。特に日本、韓国、台湾、中国を中心としたアジア市場は、上記4年間で1.5倍に成長、全世界の過半数を消費するようになると推定されている。
 今回の提携の内容は、(1)昭和電工がセイケム社の日本法人であるセイケム・ジャパン株式会社(SJL)に34%出資する、(2)SJLの社名をセイケム昭和株式会社に変更するとともに、アジア地区をテリトリーとするTMAH製造販売会社とし、両社のアジア地区の販売を統合する、(3)昭和電工東長原事業所(福島県河沼郡)のTMAH製造設備をセイケム昭和に譲渡する、(4)東長原事業所の製造設備能力を倍増し、コスト競争力を強化する、(5)東長原事業所での製造は、昭和電工がセイケム昭和から受託する--の5点。
 セイケム社は、日本を含むアジア地区の販売強化のため、同地区の供給基地を確保するとともに、昭和電工がアジア地区に有している半導体向け関連製品のサービス網を活用することが可能になる。またTMAHは、昭和電工にとって、半導体向け関連製品である特殊ガス、除害装置、ソルファインと並ぶコア事業として強化すべき製品であり、今回の提携によりコスト競争力が強化される。両社は、これらお互いの考えが一致し、提携に結びついたものである、としている。
 セイケム昭和は、東長原の設備の第2次増設を視野に入れながら、セイケム社の製品の輸入を一部継続することで、安定供給体制を確立、アジア最大のTMAH供給メーカーを目指す考え。なお、同社では、2004年の売上高を15億円と計画している。