2010年08月02日
スペインERTISAの上海フェノール計画、NDRCが承認
【カテゴリー】:海外
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(上海発=特約)

中国国家発展改革委員会(NDRC)は7月30日、スペインの石油・石油化学メーカーCEPSAの子会社ERTISAの上海ケミカルパーク(SCIP)でのフェノール/アセトン計画を承認した。

130百万ドルを投じて、年産25万トンのフェノールと15万トンのアセトンを製造する計画で、ERTISAが単独で投資する。
環境面の承認は2008年に受けており、当初は2009年スタートを予定したが、グローバルな経済危機で延期されていた。

既報 http://www.chem-t.com/cgi-bin/passFile.php?NCODE=20951

Sunoco/UOP法を導入し、原料のキュメンは当初、韓国・日本などから輸入する。
製品のフェノールとアセトンは同じ上海ケミカルパークのバイエルのポリカーボネート用に供給する。

バイエルのPC能力は当初10万トンであったが、現在は倍増して20万トンとなっている。


Ertisaはスペインでフェノール60万トン、アセトン37万トンのプラントを持つが、2008年6月にバイエルとの間でフェノールとアセトンの供給契約を締結した。現在、バイエルの欧州、タイ、上海のプラントに供給している。
現在はスペインから船で上海に送っているが、新工場完成後はここからの供給に切り替える。

ERTISAは将来は原料キュメンを、シノペックと上海ケミカルパーク開発公社がSECCOの隣りに建設を計画している10百万トンの製油所と100万トンのエチレンのコンプレックスから供給を受ける計画だが、このコンプレックスはまだNDRCの承認待ちの状況にある。

上海ケミカルパークではこの他に、シノペックと三井化学のJVの上海中石化三井化工が年産25万トンのフェノールと15万トンのアセトンを建設中。

上海中石化三井化工は又、シノペック上海中石化高橋分公司から上海ケミカルパークで稼動中のフェノール(12.5万トン)、アセトン(7.5万トン)と原料キュメン(162千トン)のプラントを引き継いだ。
これらは同地区にある上海中石化三井化工の年産12万トンのBPAプラント向けに供給されている。

注) シノペック上海中石化高橋分公司は上海の高橋地区にフェノール/アセトン第一工場(年産6万トン)を持つ。
上海ケミカルパークにある第二工場を上海中石化三井化工に譲渡した。

このほか、イネオスが南京ケミカルパークで年産40万トンのフェノール、25万トンのアセトン、55万トンのキュメンを計画している。当初の江蘇省張家港市での計画を南京市に移した。
これはイネオスとシノペック揚子石油化学とのJVとなる予定。

   既報 http://www.chem-t.com/cgi-bin/passFile.php?NCODE=28136

ERTISAはスペインの石油・石油化学メーカーCEPSAの100%子会社で、フェノール、アセトン、メチルアミンや誘導品を生産するスペイン唯一のメーカー。