2001年03月22日
VEC田代会長「塩ビ市況は内外とも上げ基調」
「今後の業界再編は石化センターとの“からみ”で」
【カテゴリー】:行政/団体
【関連企業・団体】:東ソー、塩ビ工業・環境協会

 VEC(塩ビ工業・環境協会)の田代圓会長(東ソー社長)は22日の定例記者会見で「塩ビ樹脂の市況は国内、海外とも値上げがほぼ定着し、需給も安定状態が続いている」と、業界の現状を説明した。また注目の業界再編の動きについては「再編がさらに進んでもおかしくない状況にはあるが、これからは石化センターのエチレンバランスとのからみが出てくるのではないか」と、塩ビ事業だけでは片づかない問題があることを示唆した。
 田代会長の発言内容は要旨次の通り。

(1)塩ビ樹脂の生産・出荷は前月比増加し、前年比マイナスとなったが、経済全般が低調な中ではまずまずと言える。市況も海外は上げ基調にあるし、国内は昨年秋口からの値上げが定着している。ただモノマーとポリマーの価格差が狭まっている。本来からいえばもう少しポリマーを上げないといけない。

(2)工場はこれから定修期に入るので、在庫積み増しが図られると思うが、国内の生産能力は一時期に比べてモノマーで7%、ポリマーで10%削減されている。一時的に荷繰りがタイトになる可能性がある。メーカーとしては在庫水準をみながら適性生産に努める必要がある。

(3)<業界再編は進むかの質問に>「再編がさらに進んだとしてもおかしくない状況にあることは確かだが、これまでと違いこれからは石化センターのエチレンバランスとのかかわりが出てくる。石化業界全体の再編の中でどうかということになるだろう」。

(4)<最近の円安、原油価格の動きについての質問に>「原油価格は当初25ドル前後、ナフサも2万2,000円~2万3,000円で安定すると予想していたが、再び上昇する可能性が出てきた。4月以降ナフサが2万4,000円~2万5,000円で推移するとなると、一連の価格修正が必要になる。
 円安は各社の輸出入バランスにもよることなので、いちがいに評価しにくい。それより一定の水準で安定してくれることのほうが大事だ」。