2010年08月05日
BASF、強靭性・高弾性発泡体の新素材「イーポール」を世界市場へ投入
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:BASF

BASF(本社:ドイツ ルードヴィッヒスハーフェン)は、1952年に発泡ポリスチレン(EPS)「スタイロポール」を発明し用途開発を進めて以来、押出ポリスチレン硬質発泡体パネル、強靭・高弾性ポリオレフィン発泡体など、建築用や包装用など様々な樹脂発泡体を開発し用途開発を図ってきた。しかし同社は、新規の組成により新たなプロセスで製造される樹脂発泡体の新素材「イーポール」を、約1年前から試験的に市場に提供している。現在、世界のすべての地域で複数のプロジェクトが成功裏に実施されており、その動向が注目を集めている。

「イーポール」は、輸送・保存・加工・リサイクルが可能という従来の「スタイロポール」と同様の特性を備えたのに加え、初の強靭・高弾性、クラック耐性のある発泡体である。また、表面融着及び耐溶剤性にも優れる。
さらに、インターポリマー(ポリスチレンとポリエチレン樹脂ブレンド)の発泡体は10%以上の発泡剤含有率が必要とされるのに対し「イーポール」は6%未満と非常に低くなっている。

発泡剤が多くなると原料を冷凍させる必要があるため、インターポリマーを発泡体は低温で輸送・保存しなければならない。一方、室温での輸送・保存が可能な「イーポール」は、輸送・保存に関わる諸コストを節約できる。また、加工では少量の蒸気で発泡加工を行うことも可能である。樹脂発泡体の歴史に新たな1ページを加えるとも言える。BASFは現在、「イーポール」を世界規模で試験的に市場で提供しているが、今後いつ、本格的に市場投入されるのか、そのタイミングが注目を集めている。

ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1280975332.pdf