2010年08月09日
日本ゼオン、3Dテレビ向けに「斜め延伸位相差フィルム」本格生産
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:日本ゼオン
氷見製造所

日本ゼオンは9日、自社技術で3次元(3D)テレビ向けに「斜め延伸位相差フィルム」を開発したため、氷見製造所(富山県)に年産能力1500万平方メートルの新工場を建設すると発表した。総工費は約50億円で、2011年10月から稼動開始の予定。

新たに開発したのは、光の方向を調整する「位相差フィルム」。2007年から携帯電話やモバイルなど中小型の液晶製品(LCD)向けに光反射防止フィルムとして上市してきたが、このほど大型化に必要な課題点を解決したため「3D用ベースフィルム」として積極展開していくことにした。

現在の3Dテレビは、専用メガネ使い、正面から水平に見る方式が中心だが、これには傾けて見た場合に画像が暗くなるなどの課題がある。

同社はこれを解決する光学性能を持った「斜め延伸位相差フィルム」を世界で初めて開発した。寝転んで見ても画像は鮮明で、40インチ以上の大型テレビにも十分対応できる。

なお、同社では今回開発した「位相差フィルム」は、「有機EL」TFT基板向けの偏光板のベースフィルムとしても活用できるとして、将来にさらに大きな期待を寄せている。


ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1281329132.pdf