2010年08月19日
米FDAが漢方薬を初承認、第2相臨床試験で 心臓血管治療薬
【カテゴリー】:海外
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米FDA(食品医薬局)はこのほど中国の漢方薬「復方丹参適丸」の第2相臨床試験合格を決めた。引き続き最終の第3相臨床試験に入るが、第2相臨床試験の合格で漢方薬としては初めての承認になる。同薬は心臓血管疾患の治療製剤、メーカーは天士力集団。

中国衛生部(省)と天津市人民政府が明らかにしたもので、中国の漢方薬の安全性と有効性、それに品質基準が国際的に認められたと受け止めている。

FDAの第2相臨床試験は米国の15の臨床試験センターが3年をかけて行った。

FDAは世界で最も厳しい医薬品の監視機関であり、この試験に合格したことは、欧米などの支流医薬品市場に漢方薬が進出するきっかけになるとみられている。東洋と西洋の文化および法規面の違いと成分の複雑さから漢方薬が西洋市場では、医薬品として扱われなかった。

世界の医薬品の販売を06年でみると、米国が2,743億ドルでトップ、第2位の日本は637億ドル、以下、フランスの340億ドル、ドイツが321億ドル、イタリアの206億ドルで、中国は129億ドル(漢方薬を除く)の9位(上位10か国が約80%を占めている)。

中国では米国が漢方薬学を独立した科学体系として認め始めており、FDAが漢方薬の審査・承認と基準策定に解放、融和、さらに学習する態度を見せているとして、今後の国際市場開拓に自信を深めている。

また、中国は漢方薬産業の発展重視、2002年から「漢方薬近代化要綱」をつくり、2007年にはバイオ産業発展第11次5カ年計画(2006-10年)に「現代漢方薬研究」を盛り込んだ。

そして09年には「漢方薬事業発展支援・促進に関する国務院の若干の意見」が出され、ことし2月に漢方薬産業を国の戦略的な新興産業に指定した。