2010年08月26日
横浜ゴム、モールディング用ホットメルト型封止材を電子部品向けに展開
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:横浜ゴム

横浜ゴムは26日、ホットメルトモールディング用途として主に自動車部品向けに販売してきた、ポリエステル系ホットメルト型封止材「MM-70」を、新たに国内外の電子部品市場に向けて展開していくと発表した。

「MM-70」は接着性に優れているため、一般的なポリエステル系ホットメルト型封止材では接着が難しいオレフィン系樹脂にも使用することができる。

同商品は、主に車のアース端子部やリアガラスのデフォッガー(くもり止めのための熱線)部分で、水分の浸入を防ぐために端子とコードの接続部分を覆うのに使われている。接着性の良さに加え防水性や耐衝撃性、絶縁性にも優れることから、今後は電子部品向けにも展開していくことにした。

封止材とは、内部を防水、防塵、絶縁するために部品の継ぎ目や隙間を覆う材料のことで「MM-70」は熱で溶かしてから部品と一緒に金型で固める成型工法(ホットメルトモールディング)で使用するため、継ぎ目部分に密着させやすく、ガスケットなど他のタイプの封止材に比べ防水性が高い。

また、硬化後も柔軟性を持つため外部からの衝撃にも強い。こうした特長を生かし、防水性や耐衝撃性を重視する家電や電子機器の基板、端子などへの採用を図る。また、硬化時間が数十秒から数分と短かく、作業現場での生産性が良い、有機溶剤を含まないため人体や環境にも安全である、などの利点を持つ。

なお同社は、電子部品市場向け販売の足がかりとして、6月に米国の製品安全規格であるUL認証を取得済みである。

<用語の解説>
■ホットメルトモールディングとは:
無溶剤1液型の熱可塑性ホットメルト接着剤「ホットメルト」をアルミニウム製の金型内に低圧で注入する成形技術のこと。極低圧で注入できることから、デリケートな電子部品の製造に適している。