2010年08月30日
「バイオマス推進基本計画」 5000億円規模の新産業創出へ
炭素量換算約2600万トンのバイオマスを活用、600市町村で推進
【カテゴリー】:行政/団体(新製品/新技術)
【関連企業・団体】:農林水産省

政府(内閣府、農水省、経産省など1府・6省)は、ポスト「バイオマス・ニッポン総合戦略」として、2011年度からスタートする「バイオマス活用推進基本計画案」をまとめた。

環境負荷が少なく地球温暖化対策にも貢献するとの観点から、今後、積極的に「バイオマス利用拡大」を図る。このためバイオマス利用率の向上及び資源作物の生産拡大を推進する。

具体的には、2020年を目標として、5000億円規模の新産業創出と農林漁業の活性化により、炭素量換算約2600万トンのバイオマス利用を目指す。

■主なバイオマスの種類別目標利用率は、次の通り。
(1)下水汚泥=年間発生量約7800万トンのうち約77%が利用されているが、今後さらにバイオガス化や固形燃料化等のエネルギー利用を推進し、約85%の利用を目指す。
(2)紙=紙はすでに年間発生量約2700万トンのうち約80%が古紙として回収され、マテリアルリサイクルされている。今後も再生紙としての利用促進を図るが、利用が困難な場合はエタノール化、バイオガス化等を含めたエネルギー回収の高度化も含め、約85%への利用拡大を目指す。
(3)食品廃棄物=年間発生量約1900万トンで利用率約27%だが、メタン発酵等によるエネルギー利用拡大などで約40%を目指す
(4)建設発生木材=95年に約40%だったが08年に約90%に向上しており、これを95%に拡大を目指す
(5)農作物非食用部=年間発生量1400万トンのうち約85%が利用されているが、これを90%まで拡大する
(6)林地残材=材木の梢端部や間伐材などは、年間約800万トンが利用されず林地に残されている。約30%(約240万トン)以上の利用を目指す。

資源作物の生産拡大については、耕作放棄地等のすべてに資源作物を作付けした場合、資源作物の生産可能数量は炭素量換算で最大約180万トンと見込まれるが、当面、2020年に約40万トンの資源作物の生産を目標とする。

■「バイオマス活用推進計画の策定」
バイオマス活用推進計画(新バイオマスタウン構想)の策定市町村数は、2020年に全市町村数の3分の1に相当する600市町村とし、都道府県ではすべての都道府県で策定する。

バイオマスを活用した新産業の規模としては、バイオマスに由来する機能性素材やバイオ燃料など、バイオマスを活用した新たなエネルギー、製品の産業化を前提に、2020年に新たに約5000億円の市場創出を目指す。