2010年08月31日
昭電、世界最大のアルミナ工場 インドネシアに建設
【カテゴリー】:経営(海外)
【関連企業・団体】:昭和電工

昭和電工は31日、インドネシア・アンタム社と共同で、世界最大規模の「ケミカル用アルミナ工場」を建設すると発表した。同国西カリマンタン州に年産能力30万トンの新工場を投資額約4億5000万ドル(約400億円)で建設する。2011年1月に着工し13年12月完成、14年1月から操業開始の予定である。

30万トンのうち20万トンは昭電、残りの10万トンはアンタム社が引き取る。

昭和電工は現在、横浜事業所で年産約20万トンのアルミナを生産しているが、生産過程で発生するボーキサイト残渣の海洋投入処分を2015年末までに終了し、工場を海外に移転する計画を進めていた。

新工場はアンタム社との合弁会社であるインドネシア・ケミカル・アルミナ社(ICA社)が運営する。原料のボーキサイトは採掘権を持つアンタム社がICA社に供給し、生産技術は昭電が提供する。工場の建設は月島機械が受け持つ。

アルミナはアルミニウム製錬の原料(地金)となるほか、中間製品の水酸化アルミニウムは浄水場の水質浄化剤などとなる。ケミカル用アルミナの場合は建材やエレクトロニクス、自動車など幅広い用途を持ち、需要も国内外で着実な増加を見せている。

【インドネシア・ケミカル・アルミナ社の会社概要】
(1)社名: P.T. INDONESIA CHEMICAL ALUMINA(日本語社名:インドネシア・ケミカル・アルミナ社)
(2)設立: 2007年2月
(3)代表者: ヘンドラ サンティカ社長(Mr. Hendra Santika)
(4)資本金: 319億ルピア(約350万米ドル)
(5)株主: アンタム社 80%、昭和電工 20%

【アンタム社の会社概要】
(1)社名:PT. Antam Tbk(日本語社名:アンタム社)
(2)本社所在地: インドネシア ジャカルタ
(3)設立:1968年7月
(4)代表者:アルウィン サー ルービス社長(Mr. Alwin Syah Loebis)
(5)資本金:8兆6千億ルピア(約9億5千万米ドル)
(6)株主:インドネシア政府(65%) 他
(7)事業内容:金、ニッケル、ボーキサイト等鉱産物の採掘・加工・輸出


ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1283227518.doc


【写真説明】
上段はガラス容器に入った水酸化アルミニウム「ハイジライト」(左)とアルミナ。
下段は水酸化アルミ製品の人造大理石(左)と、アルミナを使った自動車触媒用担体=ハニカムフィルター。