2001年03月19日
DSM、2000年も大幅な増収・増益
中期経営計画の目標を2年早く達成
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:DSM

 DSMのヤン G.ドッパー経営執行役員は19日、東京・港区のDSMジャパンのオフィスで記者会見し、DSMの2000年における業績を発表するとともに、2005年を最終目標年とする新中期経営計画が実現に向かって順調にスタートしたことも合わせて明らかにした。
 この日の説明によると、DSMの昨年の総売上高は80億9,000万ユーロ、営業利益は7億5,100万ユーロ、ネット利益は5億8,000万ユーロ--となった。前年に比べると、売上高は28%増、営業利益は36%増、ネット利益は56%増となる。売上の28%増の内訳は、数量の拡大によるものが8%、価格の改善によるものが17%、為替変動によるものが3%となっている。
 大幅な増収・増益となったわけで、ドッパー氏によると、1997年に作った中期経営計画の目標(2002年の目標)を2年早く達成できたという。その背景については、「昨年の第4・四半期を除いてエチレンやポリオレフィンの需要が好調であったことと、ライフサイエンス事業を順調に拡充できたことが要因」と説明している。
 主要部門の業績は、ライフサイエンス部門の売上高が19億5,500万ユーロ(前期は17億4,300万ユーロ)、営業利益が1億9,200万ユーロ(同1億7,300万ユーロ)、パフォーマンスマテリアルス部門の売上高が22億400万ユーロ(同19億ユーロ)、営業利益が1億4,400万ユーロ(同1億1,800万ユーロ)、ポリマースアンドインダストリアルケミカルス部門の売上高が42億1,600万ユーロ(同29億1,600万ユーロ),営業利益が3億3,700万ユーロ(同2億600万ユーロ)--などとなっている。
 一方、新中期経営計画による2005年の売上高目標としては100億ユーロを掲げていくことにしている。その80%をスペシャリティーズ事業で占めるとしている点が注目される。この目標をクリアするため、ライフサイエンス事業とパフーマンスマテリアルス(エラストマー、エンジニアリング樹脂、コーティング樹脂、コンポジットレジン等)事業の思い切った拡充を企業買収も含めて進めていくとしている。石油化学事業は分離・売却していく方針に変わりなく、いくつかの企業との話し合いも始めていると説明している。
 また、アジア戦略については「特に日本と中国の市場に期待しており、そのうちの日本では、ライフサイエンス、電機・電子関連製品、食品添加剤、自動車部品ーー等のスペシヤリティ製品を中心に有力企業と連携しながら事業の拡張を図っていきたい」と語った。