2010年09月06日
リチウムイオン電池の大規模生産基地 江西省が投資計画
【カテゴリー】:海外
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電気自動車の燃料電池に使われるリチウムイオン電池。その原料酸化リチウムを大量に生産する江西省宜春市に世界最大の産業チェーンが構築されることになった。酸化リチウムの埋蔵量は200万トン、電池に使用できる原料の炭酸リチウム年2万トンが生産される。

宜春市は2008年からリチウム電池産業の計画的発展に取り組んできた。中国工程院と専門家による評価を得て、基本計画を策定している。総面積20平方キロにリチウム電池生産拠点と、リチウム電気自動車年35万台余の生産を行う計画だ。2015年で総額1,000億元の産業チェーンを構築する。

この8月末に中国工業・情報化省、科学技術省、中国非鉄金属工業協会、江西省政府がリチウム電池新エネルギー産業協力推進会をつくり、同市を「アジアのリチウムの都」とする方針を決めた。江西省が行政面からの指導、協力と資金援助を行う。

同協力推進会には国内外の企業約300社が参加、総額457億元(1元約13元)の投資を決めている。また、中南大、同済大、南昌大、北京非鉄金属研究総院などが技術研究、人材養成、研究成果産業化を支援する。

現在、過去2年間に6社が進出し、3社が操業を始めた。このうち江西本源新材料科技は低温法でリチア雲母から炭酸リチウムを取り出し、量産化を実現した。CIMICは10億元を投資、リチウム電池の研究に着手した。江西江特リチウム電池材料はリチウム電池のプラス極材料の研究と生産に乗り出した。

これより先、昨年末には上海航天工業、上海空間研究所、寧波杉杉、深せん大族レーザ科技がリチウムイオン電池プロジェクト(9,000万元)を立ち上げている。自動車動力用電源集積システム、エネルギー貯留電源集積システム、人工知能充電システムの強化。

電池主要原材料生産基地、リチウム電池コア生産加工基地、さらに動力用電池工学センター、電池検査センサーなどの建設を計画。リチウムイオン電池の急速な発展を目指している。