2010年09月09日
富士フィルム、既存フィルム映写機で「3D映画」上映システム
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:富士フイルム
関口伸永執行役員 イメージング事業部長

富士フイルムは9日、フィルムによる「3D映画」の上映システム普及を図るため、全国劇場向けに専用レンズの提供を開始すると発表した。既存のフィルム映写機がそのまま利用でき、低コストでの3D映画上映が可能となるなどの利点がある。

専用メガネを使い、映像を立体的に見るという「3D映画」が話題を呼んでいるが、このシステムを導入する映画館や劇場にとっては、新たにデジタルプロジェクターやサーバーなどのほか、専用の付属設備が必要で、費用は初期投資だけで約1000万円かかる。このため現在、全国約3400スクリーンのうち、これに対応できるのは約500スクリーン、15%程度という現状だ。

今回、富士フイルムが提供するのは、既存のフィルム映写機をそのまま利用して3D 映画が上映できる、米国・テクニカラー社が開発した「Technicolor 3D」システム。このシステムによる3D 映画の上映は今春から欧米で開始され、現在、北米に260、欧州で80、計340スクリーンに設置済み。今年内には700スクリーンに増やす目標を立てている。

富士フィルムでは、劇場向け映写設備の販売・保守サービス会社を通じて、フィルム映写機に装着する専用レンズのレンタル及び設置、運営管理などを行い、日本国内で同システムの普及を図る。

同社執行役員でイメージング事業部長の関口伸永氏は「初年度100スクリーン、将来的には500スクリーンへの導入を目指したい」と言っている。


ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1284005600.pdf