2010年09月10日
中国でシリコンモノマー増強活発、2015年 南昌に70万トン完成
【カテゴリー】:海外
【関連企業・団体】:なし

江西省の省都南昌・北側の永修県(星火工業園区)で、有機シリコンモノマー(オルガノシロキ酸、シリコーンモノマー)年産70万トンの大型設備が建設されている。中化集団(シノケム)が2015年を完成目標に80億元を投入。世界最大で年150億元の売り上げを見込んでいる。

中国の有機シリコンモノマーは1940年ごろから工業化が進み、1980年代から本格的な生産が始まった。現在では藍星星火、江蘇鎮江宏達など5社がある。星火工業園区には米キャボットなど関連企業20社余が進出、産業チェーンを形成している。

昨年の生産量は80万トンに達し、世界の約50%を占めた。80万トンのうち42万トンは輸出に向けている。ハイテク化学の新素材で、高温、低温、湿気に強く、絶縁体として建築、電子電気、化学、自動車、医薬・医療などの分野に使われている。

中国の有機シリコンの発展は、廉価な資源エネルギーと低賃金によるところが大きく、第1次産業チェ—ンができ上がった。こんごは付加価値の高い材料チェーンとしての産業形成を進める方針だ。

星火工業園区では生産規模の拡大とともに、川下製品の10大シリーズ100種の開発に重点を置く方針。日本の東レ、信越化学、米ワッカーなどのメーカーもこのところ中国に進出している。

有機シリコンは液晶パネルやスイッチ向けに需要が伸びている。とくに柔軟性があるところから、折り曲げに強く、ゴムやオイルに代わる素材として用途開発が期待されている。