2010年09月15日
中原VEC会長「円高で輸出環境は厳しいが、東南アジアの市況は上昇基調」
【カテゴリー】:実績/統計
【関連企業・団体】:塩ビ工業・環境協会

塩ビ工業・環境協会(VEC)の中原茂明会長(トクヤマ会長)は15日の定例会見で、日銀の為替加入について、「個人的見解だが」と前置きし「遅きに失した感がある。わが国産業の国際競争力低下を招いたのは否定できない」と指摘した。塩ビ樹脂業界への影響については「為替面からみると、輸出は一段と厳しさが増した。ただ、東南アジア市況に変化が出てきたようだ」と語った。

具体的な海外市況については、宮島正紀副会長(信越化学工業取締役)が「東南アジアでは、9月船積みが1トン当たり960ドルだったが、10月積みでは20ドルの値上げになっている。米国でも、欧州でも原料エチレンの値上がりを反映して塩ビ樹脂市況が上昇している」と語った。

このように、東南アジアでの市況好転が8月の塩ビ樹脂輸出の増加(前月比19.7%増)につながったようだ。

VECが同日まとめた8月の塩ビ樹脂生産出荷実績をみると生産は14万2774トン、前年同月比2.9%減で2カ月連続のマイナス、国内出荷はユーザーが夏休みという不需要期であるが7万5446トン、同2.9%増、輸出は5万6209トン、同18.5%減だが前月比では増加、出荷合計は13万1655トン、同7.5%減となった。

国内出荷のうち、硬質用は4万1379トンで同1.9%増、軟質用が2万153トンで同9.2%増、電線・その他用が1万3914トンで同2.5%減である。月末在庫は8万6275トンで前月よりも14.8%増加した。


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○2010年度/塩ビ樹脂生産・消費・在庫実績
http://www.chem-t.com/link/data/pvc/2010pvc.html

○2010年度/塩ビモノマー生産・消費・在庫実績
http://www.chem-t.com/link/data/pvc/2010vcm.html