2001年03月19日
独BASF、本社工場の「ビタミンE」生産能力倍増
1億ユーロ投資、世界的な需要の伸びに対応
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:BASF、武田薬品工業

 ビーエーエスエフ(BASF)ジャパンは19日、ドイツ本社がビタミンEの成長性に着目し、本社工場の生産能力を2倍の年産6万トンに拡大すると発表した。
 能力増強は2002年から段階的に行う。投資は1億ユーロを超える金額になる。これにより同社は世界第2位のビタミン・メーカーとしての地位がより強固なものになる。
 また同社は、ビタミンEの倍増を含めて、総額6億ユーロの投資計画を進めており、効率的な生産と物流システムを構築、世界の需要に応えていく体制をより強化する。これに伴い米国の生産ラインも合理化するとしている。
 ビタミンEは、食品や化粧品の他家畜用飼料にも使われており、需要は世界的に伸びている。BASFのビタミンE売上高も年率4%の伸びをみせ、2000年の飼料向け用途の世界シェアは26%に達した。食品用では栄養補助食品向けに用途を絞っており、武田薬品工業のビタミン事業買収により、食品用ビタミン市場での地位を大幅に向上させた。
 化粧品分野では、ボディローションや日焼け止めクリームなどに使用されているが、肌を外気や環境の影響から保護する働きがあるため、売り上げも好調で世界市場でのシェアは30%に達している。BASFはファインケミカル製品のうちでも付加価値の高いビタミン事業の拡大には今後とも力を入れていく方針だという。