2010年09月17日
NEDO、ガラス研磨での希土類セリウム使用量半減技術と代替材料を開発
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:NEDO

新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は16日、レアアース(希土類)の一種で液晶テレビのガラス基板の研磨材として使われるセリウムの使用量を半減させる技術と、代替材料である新たな研磨パッドと複合砥粒の開発に成功したと発表した。

これは、NEDOの「希少金属代替材料開発プロジェクト」の一環として開発に取り組んでいる立命館大学、アドマテックス、クリスタル光学、九重電気のグループが成功したものである。

新たに開発した研磨パッドは、従来用いられていたウレタン樹脂の代わりに開発したエポキシ樹脂を用いたもので、研磨能率は2倍を超えることが確認された。

この研磨パッドと、セリウム代替となる酸化ジルコニウム等の砥粒を組み合わせることで、従来のセリウム研磨を大きく上回る研磨効率が出ることが確認された。この技術により、セリウムの代替が可能となった。

新たに開発した複合砥粒は、コアの有機物の周囲に酸化セリウム等の砥粒を付着させた構造をもつもので、研磨能率が50%改善することが確認された。この技術により使用量の半減が可能となる。

希少金属は中国など特定産出国への依存度が高く、将来、酸化セリウム砥粒の入手が困難となる事態が発生しても、この組み合わせで砥粒の代替が可能となることが示された。