2010年09月17日
タカラバイオ、エムズサイエンスと新抗がん剤事業譲受で協議
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:タカラバイオ

タカラバイオは17日、エムズサイエンス社(本社:神戸市、三田四郎社長)との間で、エムズサイエンス社が開発中の抗がん剤(腫瘍溶解性ウイルスHF10)に関する事業を譲り受けるため独占的に協議することに合意したと発表した。

HF10は、単純ヘルペスウイルス1型の弱毒型自然変異株でエムズサイエンス社が抗がん剤として開発を進めている。がん細胞に感染すると細胞内で増殖し、がん細胞を死滅させる作用を有することが動物実験などにおいて示されており、このような抗がん作用を持つウイルスは腫瘍溶解性ウイルスと呼ばれている。

エムズサイエンス社は現在、米国で頭頸部がんを対象としたHF10の第1相臨床試験を実施中。また、名古屋大学医学部附属病院では、乳がん、頭頸部がんおよび膵臓がんの患者を対象とした臨床研究を行っており、安全性と有効性を示唆する結果が報告されている。

HF10は、ウイルスを利用した新しいタイプの抗がん剤で、その開発・製造にはタカラバイオが保有するウイルスベクターの製造・解析技術など遺伝子治療に必要な技術・ノウハウを最大限に活用することができる。

タカラバイオは今後、エムズサイエンス社と事業の譲り受けの条件などについて協議を行うとしている。

【エムズサイエンス社の概要】
◇会社名:株式会社エムズサイエンス
◇設立:2000年
◇代表取締役:三田 四郎
◇資本金:10百万円
◇住所:神戸市中央区港島南町5丁目5番2号 神戸国際ビジネスセンタービル
◇事業概要:医薬品の研究開発
◇ホームページ:http://www.m-sci.com/

ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1284709394.pdf