2010年09月24日
中国華電集団、陝西省で石炭からの芳香族生産を計画
【カテゴリー】:海外(原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:なし

(上海発=特約)

陝西省政府はこのほど、中国華電集団が陝西省で石炭からの芳香族の生産(Coal-to-Aromatics:CTA)を計画しており、事前FS報告書を専門家のパネルが評価していることを明らかにした。

華電集団のCTA計画は陝西省楡林市の楡?石炭化学パークで実施される。最初に年産30万トン程度のパイロットプラントを建設、その後に大規模計画を実施する。
投資額は285億人民元規模で、年産300万トンの石炭ベースのメタノールと、Methanol-to-aromatics (MTA) による100万トンの芳香族を生産する。
Methanol-to-aromatics は精華大学が開発した流動床法MTA技術を使用する。

中国華電集団は中国五大電力会社の一つで、2002年に設立された。

ASIACHEM Consultingの調査では、中国では精華大学と中国科学院山西石炭化学研究所(ICC-CAS)が主にMethanol-to-aromatics技術を開発している。

ASIACHEM Consultingでは、石炭の豊富な西部地区では、同じ石炭化学パークでCoal-to-AromaticsとCoal-to-MEGが統合されると、PTAとPETのチェインが完成し、非常に競争力のあるものになると見ている。
この場合、石炭ガス化や空気分離、ユーティリティなどが共有できるとともに、製品が液体の芳香族やMEGと異なり、固体のPETとなれば製品輸送も容易になる。

中国ではメタノールは過剰となっており、投資家はメタノールの誘導品、特にMethanol-to-aromatics(MTA)やMethanol-to-olefins (MTO)に関心を示している。

既報の通り、MTOでは神華包頭石炭化学が内蒙古自治区の包頭で、Coal-to-Olefins Complex (年産180万トンのメタノール、60万トンのオレフィン、30万トンのPEと30万トンのPP)をスタートさせた。

更に年内に大唐国際発電のPP 46万トンと神華寧夏石炭グループのPP 52万トンがスタートする。

   既報 http://www.chem-t.com/cgi-bin/passFile.php?NCODE=29663