2010年09月24日 |
農水省・技術開発「バイオで赤潮被害を50%以上低減へ」 |
【カテゴリー】:新製品/新技術 【関連企業・団体】:農林水産省 |
農林水産省は、バイオテクノロジーを用いて「赤潮発生の直前に出されている予報を3日程度早めることにより早期の対処を可能とし、赤潮被害額を50%以上低減する技術を開発する」プロジェクトに来年度から5カ年計画で取り組む方針を決めた。 このため、平成23年度予算概算要求に「メタゲノム解析による沿岸漁場モニタリングと漁業被害の予測・抑制技術の開発」予算として1億4300万円を盛り込んだ。 具体的テーマは以下の通り。 (1)沿岸漁場に存在する微生物群をメタゲノム解析技術(環境中の微生物群をまとめてDNA解析することにより、環境中の微生物相の特徴を明らかにする技術)によって把握し、赤潮等の発生あるいは終息に重要な働きを持つ微生物群を効率的に解明する。 (2)赤潮等の発生に関与する海洋微生物群を簡易検出するためのDNAチップ(スライドガラス等の基板上に検査対象生物のDNAを多数貼り付けた分析器具で、検体に対象生物のDNAが含まれると反応して発色する)を開発し、これを用いた微生物群のモニタリングによる漁場被害の早期発生予測技術、発生抑制技術を開発する。 現在行っている海洋環境及びプランクトン量監視による「発生予測」では、赤潮発生の直前にしか予測できないが、バイオテクノロジーを利用した新しい技術は、赤潮発生の早期予測によって対策に時間的余裕を持たせることができる。「漁業被害額を50%以上低減することが可能になる」としている。 |