2010年09月27日
ペトロチャイナとロシアのロスネフチが天津で製油所建設
【カテゴリー】:海外
【関連企業・団体】:なし

(上海発=特約)

ペトロチャイナとロシアのロスネフチは9月21日、天津の南港工業区で両社のJVの製油所の起工式を行った。

300億人民元を投じて年産1300万トンの製油所を建設するもので、両社のJVの中露東方石化(天津)が運営を担当する。JVは2007年10月にペトロチャイナが51%、ロスネフチが49%の出資で設立された。

1300万トンの常圧・減圧蒸留装置、270万トンの連続改質装置、400万トンの残油改質装置、芳香族とプロピレン製造装置(能力非開示)などの装置を含んでいる。

業界筋の情報では、製油所の完成は2015年を予定しており、ガソリン、ディーゼル油、航空機燃料、液化ガスなどの製品は主に中国市場に向けられる。

ロシア側が原油の約70%を市場価格でJVに供給し、残りの30%はアジアで手配する。

起工式には天津で開催された第6回中国・ロシア・エネルギー対話に出席した王岐山副首相とロシアのセチン副首相が出席した。

ペトロチャイナ総経理は、中露合弁の製油事業は中国の原油構造の高度化、中露エネルギー関係の促進、天津の経済発展の推進など重要な意義を備えていると述べた。
セチン副首相は、この事業のスタートはマイルストーン的意義があるとし、両国の石油川下部門の協力が始まり、両国友誼の象徴になるだろうと述べた。

中国は2009年2月、ロシアとの間で政府間協定を結んだ。中国開発銀行がロスネフチに150億ドル、東シベリア太平洋パイプラインを運営するトランスネフチに100億ドルを低利で融資する見返りに、ロスネフチは2011年から20年間、毎年15百万トンの原油の供給を行い、トランスネフチは石油パイプラインを中国に延長することとなった。

2010年8月29日、ロシアと中国を結ぶ石油パイプラインのロシア側の敷設が完了、プーチン首相出席の下、稼働セレモニーが行われ、技術テストが始まった。年内にもロシアから中国への原油供給が開始される。

当初、ロシア側はこれが天津のJVで使われることを希望していたが、ペトロチャイナでは遼寧省の製油所など、中国北東部の製油所で全量を使用することを決めたため、本年7月時点では、天津のJVの原油ソースが決まっていなかった。

業界筋の情報では、これとは別に、ロシア側が年間910万トン(所要量の7割)をJVに供給することとなり、建設開始が決まった。

なお、天津には他に、シノペック天津石化が年産550万トンの製油所を、シノペックーSABIC石化が1000万トンの製油所を持っている。中露東方石化が完成すると、天津の製油所能力は2850万トンに達する。

ロスネフチはロシアの石油会社で、ロシア政府が75.16%を所有、残りは公開されているが、国有財産管理庁に管理されており、実質的にロシアの国営企業である。2009年に1億800万トンの原油を産出している。