2010年09月28日
カネカ、東北デバイスから有機ELパネル事業を買収
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:カネカ

カネカは28日、東北デバイス社(本社:岩手県花巻市、相馬平和社長)から有機ELパネルの設計・製造・販売事業を譲り受け、有機EL照明デバイス事業を本格展開すると発表した。

具体的には、新たに設立した100%子会社の「OLED青森」が東北デバイスの事業を譲り受けて有機EL光源デバイスを製造し、カネカが販売する。有機EL照明デバイス事業の売上高として、5年後に約200億円、10年後の2020年には約1000億円を目指す。

東北デバイスは、今年7月2日に東京地方裁判所に対して民事再生手続開始の申立を行い、同年7月8日付で民事再生手続開始の決定を受けた。今回、9月27日付で東京地裁から事業譲渡の許可を得たため、同年9月30日に事業譲渡を受けることにした。

照明用光源デバイスの世界市場は、今後も成長が見込まれ、2009年の約2兆8千億円から2020年には約5兆円に達すると予測されている。

<有機EL照明の特長>
・1ミリメートル以下まで薄型化でき、天井や壁などの限られた場所に設置できる。
・多彩な発光材料固有の光を得られ、デザイン性に富む。
・そのままで面光源であり、拡散板などの光学部品を必要としない。
・エネルギー効率が高く消費電力を小さくできる。
・水銀を使用しないため環境に優しい。

東北デバイスは、白色有機ELパネルの量産を世界で初めて開始するなど、高い技術力と生産能力を有している。このためカネカが持つ有機EL技術や、太陽電池の研究開発で培った大型真空薄膜プロセス技術などを組み合わせることにより、競争力のある有機ELデバイス量産化技術が確立できると判断した。

【東北デバイス株式会社の概要】
◇代表者 :代表取締役 相馬平和
◇本店所在地 :岩手県花巻市二枚橋第5地割6番地38
◇設立年月日 :2005(平成17)年3月23日
◇資本金 :8000万円
◇主な事業内容 :有機ELパネルの設計・製造・販売事業等
◇従業員数 :約40名

【OLED青森株式会社の概要】
◇代表者 :代表取締役 瀬崎好司
◇本社所在地 :大阪市北区中之島三丁目2番4号
◇設立年月日 :2010(平成22)年9月9日
◇資本金 :2億5000万円
◇株主 :カネカ100%出資


ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1285662560.pdf