2010年10月05日
「中国貿易に支障多い」経産省の アンケート結果
【カテゴリー】:行政/団体
【関連企業・団体】:経済産業省

経産省では、一連の中国との関係が実際の企業活動にどのような影響を与えているかの実態を把握するため(1)中国におけるレアアース輸出状況に関する調査(2)中国における対日輸出入貨物の通関状況に関する調査ーの2つのアンケート調査を実施したが、5日その結果を発表した。

■中国におけるレアアース輸出状況

レアアースに関係する企業24社と4業界団体(128社)計152社を対象に実施。調査期間は9月28〜30日で、66社から回があったが「レアアースの貿易に直接関与していないため、わからない」という回答が35社あった。あとの31社からは、全社、中国からの輸出に支障が生じているとする報告があった。

支障の内訳は「通常の英文申請書に加え、中国語の書類を要求された」、「通関申請は受理されたが、許可が下りない」、「保税区で止められている荷物がいまだに船積みできない」、「保税区において、日本向け荷物に対する全品検査が行われており、事実上輸出が止まっている」などだった。


■対日輸出入貨物の通関状況

商社、物流、メーカーなど1,146社を対象に実施。期間はレアアースと同じ9月28〜30日。回答は424社で「輸出入に遅延等がある」としたものは、うち124社(214件)だった。

遅延等があったとの回答(214件)を地域別にみると、上海121件、深セン35件、天津31件、広州19件など中国各地に及ぶ。業種別でも機械部品、建設機械、電子製品、繊維、化学品、自動車部品食品など幅広い品目で発生している。

遅延状況を見ると、「検査率の引き上げ」、「中国語記載の通関書類・製品成分の分析結果・ブランド証明資料等従来提出していない資料を求められた」、「適用されるHSコードの変更、これに伴う税率の上昇」などの報告が多かった。