2010年10月12日

双日、植物由来繊維によるバイオ樹脂コンパウンド事業参入

【カテゴリー】：経営 【関連企業・団体】：双日

双日は12日、世界最大のセルロース繊維メーカーであるレンチング社(本社:オーストリア)と協力して、ユーカリを主原料とする植物由来繊維「テンセル」を使用したバイオ樹脂コンパウンド事業に参入すると発表した。主に自動車用途向けに開発を行う。 新たに販売するのは、ユーカリを主原料とするテンセル繊維を使用した強化プラスチック用コンパウンド材で、独自の製法を持つレンチング社が生産する。原料のユーカリは成長が早く環境負荷も少ない。双日は2011年をめどに、日本初となるこのバイオ樹脂コンパウンド樹脂事業に参入する。 ポリ乳酸樹脂やポリプロ樹脂と混ぜることで、プラスチック強化材としての物性が向上する。ガラス繊維と比べて軽量で、繊維強化プラスチック(FRP)として、主に自動車のダッシュボードや使用環境の厳しいエンジンルームなどの成形部品開発が可能となる。 また、セルロース繊維でありながら高い重合度があるため、モケットや織物、ニット生地といったカーシート表皮材、天井材、内装材等の自動車用途での開発にも取り組む。 双日はこれまで、10年以上にわたり、レンチング社の販売代理店として、レーヨン繊維やテンセル繊維、難燃レーヨン、フッ素繊維などのセルロース繊維を扱ってきた。 　 双日の09年の扱い数量は、セルロース繊維輸入量全体の約50%のシェア(約6,000トン)を保有し、業界では最大手となる。2015年度にはセルロースマテリアル事業の売上高を60億円規模に拡大する方針である。 ■レンチング社の概要 　オーストリア・レンチング村に本社（代表者：ピーター・ウンデスバーガー氏）を置く、生産キャパ56.8万トン/年(2009年)の世界最大級のセルロース繊維メーカー。2010年末には、77万トンまで増産予定。レンチング社は紡績用途や衛材・医療用、工業用用途など、不織布市場で世界規模の事業展開を進めている。