2010年10月13日
神華寧夏、メタノールからプロピレンの生産スタート
【カテゴリー】:海外(新製品/新技術)
【関連企業・団体】:なし

(上海発=特約)

神華寧夏石炭グループは10月4日、寧夏回族自治区銀川市の寧東エネルギー化学基地でメタノールからのプロピレン(MTP)計画の操業を開始、99.69%の純度のオンスペックのプロピレンを生産した。

これは世界最初のMTPの商業生産となる。

178億人民元を投じたもので、ポリマーグレードのプロピレン50万トンと、副産品としてガソリン、LPGを生産する。

建設は2008年4月に始まり、本年10月にメカニカルコンプリーションとなった。9月初めから試運転を行っていた。

年産52万トンのPPプラントを建設中で、これは間もなくスタートする。

隣接して年産167万トンのメタノールプラントを建設中で、ガス化設備は第4四半期に完成する。現在は神華寧夏の既存設備からメタノールを供給している。
年末には石炭からPPまでの一貫生産体制が完成する。

このコンプレックスは以下の各社の技術を使用している。

1. 空気分離:Air Liquide
2. GSPガス化(微粉かっ炭の加圧ガス化):Siemens  
3. Syngasからの硫化水素ガス除去:Lurgi
4. メタノール合成:Lurgi
5. MTP:Lurgi
6. ガスフェース法PP:ABB-Lummus

ASIACHEMによれば、これは中国で2010年にスタートする石炭からのオレフィン製造の3つの計画の1つ。

8月に神華包頭石炭化学が内蒙古自治区の包頭で、180万トンの石炭ベースのメタノール、60万トンのメタノールベースのオレフィン、30万トンのPE、30万トンのPPをスタートさせた。
既報 http://www.chem-t.com/cgi-bin/passFile/NCODE/29663

更に年末までに大唐国際発電がMTPとPP 46万トンをスタートさせる。

なお、神華包頭などのMTO(Methanol-to-Olefin)はSAPO 34ベースの触媒を使用し、3トンのメタノールから0.5トンのエチレンと0.5トンのプロピレン、及び少量のC4を生産する。
UOP、中国科学院大連化学物理研究所(DICP-CAS)、Sinopec、ExxonMobilなどが開発している。

これに対し、MTP(Methanol-to-Propyrene)はZSM-5 ベースの触媒を使用し、3トンのメタノールから0.9トンのプロピレンと、副産品としてガソリン、LPGを生産する。
Lurgiが開発している。