2010年10月18日
三井化学、ディーゼル・排ガス浄化用「アドブルー」大幅増強へ
【カテゴリー】:経営(新製品/新技術)
【関連企業・団体】:三井化学
「アドブルー」ボトル

三井化学は18日、ディーゼル・トラックなどに搭載される排ガス無害化のための「尿素SCRシステム」普及に伴い、北海道・砂川工場に、NOX還元添加剤「アドブルー」(Ad Blue)年産20,000キロリットルの生産設備を建設すると発表した。引き続き名古屋にも工場を新設する。投資額などは非公開。

<新規計画の概要>
1.対象製品 : アドブルー(高品位尿素水、ドイツ自動車工業会登録商標)
2.新設場所 : 北海道三井化学(三井化学100%子会社、北海道砂川市)
3.生産能力 : 20,000KL/年
4.営業運転開始: 2010年12月(予定)

国内トラックメーカー各社は、自動車排出ガス規制の強化に伴い、今年から大型車の新車全車に尿素SCRシステムの搭載を開始した。排ガス用配管に同システム装置を取り付け、アドブルーを排ガスに吹き付けることで、排ガスを浄化・無害化する。

今後は中・小型トラックや非搭載の大型車にも搭載される見込みで、アドブルーの需要は大幅増大が予想される。

「三井のアドブルー」扱い店

三井化学は現在、大阪工場(高石市)でアドブルーを尿素から一貫生産しているほか、関東(厚木市)、九州(大牟田)2工場でも生産しており、生産能力は合わせて70,000KLとわが国最大。

しかし将来の需要増大に対応するため今回、北海道・砂川に4番目の工場新設を決めた。さらに来年前半には名古屋にも年産20,000KL工場を新設し合計能力を110,000KLに拡大する。また2014年をめどに生産拠点を7〜9カ所、合計能力を約250,000KLに拡充する方針を固めている。

同社は販売面でも三井物産と連携し2004年、尿素SCR車の販売開始と同時に全国1,000店舗以上でアドブルーが入手可能となる供給体制を整えてきた。 今後は2000店舗への早期倍増を目指す。


【用語の解説】
■SCR :Selective Catalytic Reduction の略で、「選択触媒還元」の意味。
■尿素SCRシステム :は排出ガスに尿素水を噴射し、窒素酸化物(NOX)を無害な水と窒素に分解するもので、浄化率が高い。

ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1287372798.pdf