2010年10月20日
中原VEC会長「一向に止まらぬ円高に製造業の競争力喪失を不安視」と強調
【カテゴリー】:行政/団体
【関連企業・団体】:トクヤマ、塩ビ工業・環境協会

塩ビ工業・環境協会(VEC)の中原茂明会長(トクヤマ会長)は20日の定例記者会見で、「政府・日銀が為替介入して1カ月が経過するが、その効果は一向に出てこない」としたうえで、「このままの水準で推移すれば今年は1ドル平均85円であり、2年前に比べ15%の円高になる。それだけ製造業の価格競争力が失われたことになる」と指摘した。

それに加えて「政府はまた、10月初めに地球温暖化防止基本法を閣議決定した。これも日本が突出したもので製造業の国際競争力を低下させるものだ」と不満をあらわにした。

中原会長は「日本はものづくりの優位性に支えられてきた。その製造業が国際競争力を失っていくことを不安視している」と繰り返し強調した。

さらに、「景気も一段と厳しさを増している。本来、政府は産業界をバックアップするべきなのに、逆の方向に動いているような感じがする」と懸念を表明した。

同日発表した9月の塩化ビニル樹脂(PVC)生産出荷実績によると、生産は14万5878トン、前年同月比6.5%減で4カ月連続の前年割れだが輸出の低調に合わせて減産している模様だ。国内出荷は9万2880トン、同2.0%増で2カ月連続の増加である。このうちパオプなどの硬質用は5万2484トン、同1.1%増で2カ月連続の増加、軟質用は2万4870トン、同6.2%増で9カ月連続のプラス、電線・その他用は1万6526トン、同1.2%減で3カ月連続の前年割れ。輸出は5万8596トン、同8.5%減で6カ月連続の前年割れとなった。
なお、塩化ビニル樹脂モノマー(VCM)は、9月の生産、出荷ともに前年割れとなっている。

ニュースリリース参照

○塩ビ樹脂
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1287559702.xls

○塩ビモノマー
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file2_1287559702.xls