2001年03月14日 |
三井化学が新中期経営計画「01年度中計」を発表 |
【カテゴリー】:経営 【関連企業・団体】:住友化学、三井化学 |
三井化学の中西宏幸社長は14日、幸田重教会長、渡邉五郎副会長、中井健副社長らとともに記者会見し、2003年度を最終目標年度とする中期経営画「01年度中期経営計画 冒頭同社長は、同計画の策定の狙いと使命について「03年に住友化学工業と全面的に事業統合するまでに何をすべきかを整理して取りまとめたのが今回の中計で、これに沿って、三井化学グループ全体の拡大と成長を目指してアクセルを大きく踏み込んでいきたい」と説明、三井化学の発足後3年で実現できた合併効果をフルに活かしながら攻めの経営に大きく歩を踏み出す考えを披露した。 この日同社長は同計画の内容を、(1)使命/目標(2)基本戦略(3)経営資源計画(4)収益計画--の4つの切り口から詳しく説明した。 第1点の同計画の使命については、(イ)連結経営計画システムの構築と円滑な実行(ロ)革新的な企業風土の醸成とグループ全体の戦略の一本化(ハ)石化・基礎化学分野のコア事業の一層の重点化と収益の拡大(ニ)機能性材料分野のコア事業の一層の絞込みと収益の拡大ならびに新製品開発の加速--4点を挙げている。 また、03年度の経営目標に関しては(イ)連結売上高を1兆1,500億円とする(石化分野と機能性材料分野がそれぞれ2分の1ずつ)(ロ)連結経常利益を920億円とする。ROSは8%を目指す(ハ)連結ROAを7%とする(ニ)連結フリーキャッシュフローを1,700億円とする--の4項目を挙げている。 一方、基本戦略としては、「拡大・成長」「連結運営体制の強化」「環境・安全・品質の確保」の3点をキーワードに(イ)事業の集中的拡大・成長(ロ)機能性材料分野の新製品拡大(ハ)グロ-バル化(ニ)連結経営計画システムの構築(ホ)グループの強化(ヘ)連結経営基盤の強化(ト)環境保全の推進、安全性の確保、品質管理の徹底--の7点を掲げている。 ※以下、資料は全て三井化学の発表資料 [事業の集中的拡大と成長] 計画期間中の3年間に、石化・基礎化学では1,000億円、機能性材料には1,200億円投資する。 [機能性材料分野の新製品拡大] 新製品の売上高は、2000年度の280億円から、2003年度には1,500億円に拡大、このうち1,350億円が機能性材料分野で、機能性樹脂で約500億円、機能性化学品で700億円強を見込むが、今後200億円分の新製品追加を目指す。 [グローバル化] 石化・基礎化学品はアジアに拠点を集中、機能性材料は世界に展開する方針。海外の売上高比率は2000年度の24.7%から2003年度には28.7%に高まる。また石化・基礎化学は今後輸出から海外生産にシフトするが、機能性材料は当面輸出中心となる。 さらに経営資源計画については、人員、投融資、キャッシュフローそれぞれについて説明した。まず人員計画では2001年3月末の1万758人から、2004年3月末までに10%削減、9,700人に圧縮する。投融資は、前中期計画に比べコア事業、コア事業候補の分野への投融資を拡大させる方針で、単体では3年間の投融資額1,500億円のうち61%をこれら2分野が占める。また連結では総額2,600億円のうち間接部門とSBDUを除いた場合、96%をこれら2分野に投入することになる。このほか連結キャッシュフローは、営業キャッシュフロー2,900億円、資産圧縮キャッシュフロー1,400億円の合計4,300億円に対し、投資キャッシュフローが2,600億円のため残り1,700億円がフリーキャッシュフローとなる。このフリーキャッシュフローから有利子負債の返済(1,300億円)や配当に充てると余裕キャッシュフローは260億円になる計画。 <参考> 人員計画 投融資計画(単体) 投融資計画(連結) キャッシュフロー |