2001年03月14日
チバSCとEPI社、農業用分解性ポリマー用添加剤分野で協力
チバSCが独占販売権取得
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ

 チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(チバSC)と完全分解性プラスチック用製品メーカーのEPIエンバイロメンタル テクノロジー社は、世界的な提携契約に合意した、と発表した。これにともないチバは、4月15日付でEPIの農業関連業界向け添加剤の独占的な販売権を取得する。
 これまでAGPとして販売されていた製品は、「Ciba ENVIROCARE(チバ エンバイロケア)」の商標でチバが販売する。製品レンジには、マルチフィルムやバナナバック、カバーフィルム 、不織布および撚り糸など、農業用途の分解性プラスチック用添加剤が含まれる。EPI社は引き続き、生分解性のゴミ袋やショッピングバッグ、おむつなど、使い捨てプラスチック製品用添加剤DCP (Degradable Compostable Plastic:分解性堆肥化プラスチック) を販売する。
 チバのプラスチック添加剤部門統括のフェリックス・マイヤー氏は、「EPIと協力することで、チバが提供する製品および効果のレンジが、さらに農業関連用途向けプラスチックにまで拡大する。ユーザーのニーズを満たす総合的なソリューションの提供が可能になる。 Ciba RECYCLOSTAB(チバ リサイクロスタブ)、 RECYCLOSSORB(リサイクロソーブ)やRECYCLOBLEND(リサイクロブレンド)に代表されるプラスチックのリサイクルを支えるチバの技術を、 EPIの技術は理想的な形で補完する」と語った。
 EPI エンバイロメンタル・テクノロジー社長兼最高経営責任者のジョセフ・G・ゴー氏は、「農業用プラスチック市場におけるチバの世界的なプレゼンスは、地理的な成長とEPIの技術に基づく新用途の開発のための理想的な基盤となるだろう」とコメントした。
 ENVIROCAREは、ポリエチレンやポリプロピレンなど一般的な熱可塑性プラスチックに添加するスペシャルティ・ケミカル製品。 ENVIROCAREを添加することによって、熱や光による酸化をベースとした誘発メカニズムにより、制御された持続時間をもつ分解性プラスチックが、標準的な装置で製造可能になる。
 現場試験では、これらの添加剤を使ったマルチフィルムが、 植物の成長期が終わるまでに十分にもろくなり、通常の耕作作業で容易に土と混ざることがわかっており、その後、ポリマーは土の中で完全に分解される。この技術は、回収や運搬、後処理、リサイクルにかかるコストが極めて高いとされる農業用途において、埋め立てや焼却の代替策を提供するものとして期待されている。