2010年10月28日
「蘇通科技産業園」、南通市に50平方キロの先端都市
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江蘇省南通市南部の長江沿いに、先端的な産業エコシテイが誕生する。総面積50平方キロ、人口30万人の国際都市を目指す。上海から1時間の、高速鉄道、高速道路、海路、空路など交通に恵まれたハイテク都市、「蘇通科技産業園」である。

同産業園は蘇州工業園区(蘇州市がシンガポールの協力で建設した)の成功をもとに蘇州市が南通市(人口760万人)と合弁(中新蘇通科技産業園区開発有限公司)で計画を進めている。

08年に完成した長江の蘇通大橋の北側で、09年9月に同産業園の起工式を挙行、第1期9.5平方キロを3年の工期で建設中だ。この後、第2期として29.68平方キロ(工期3年)、第3期として11.05万平方キロ(工期3〜4年)の造成が計画されている。合わせて50.23平方キロの広さとなる。

09年11月には江蘇省政府が支援政策を打ち出している。上海を含め長江デルタの産業地域の中心となる見通しである。

この計画は26日、東京・虎ノ門のホテルオークラで、頂俊・同産業園招商経理、李玲・同産業園総合管理弁公室副主任ら訪日団から発表された。重点産業は電子情報、現代サービス、バイオ製薬、精密機電、新エネルギー、新素材など。

日系企業では住友ベークライト、東レ、カネマツ、ト—ワ、新日鉄、富士通、丸紅など18社が進出の予定。市は教育、人材育成に力を入れている。大学は6校、年1万人の卒業生。産業高からも年1万人の卒業生を送りこんでいる。

市では税制優遇政策、医療サービス、快速通関などを提供し、通関では上海港と水上一体化関税を実施している。
また、インフラについては電力を220キロボルト、110キロボルト、20キロボルトの異なる電圧で供給。水道は当面、1日当たり4.5万立方、将来25万立方とする計画。汚水処理は将来1日20万立方に引き上げる。

生産コストは上海より20%程度安い。給与は上海の管理職月3,500元に対し、2,000元程度にとどまるとしている。また、土地の賃借料は1ムー(666平方メートル)あたり、日本円で約100万円だという。