2010年10月28日
旭化成、2次電池用セパレータ「ハイポア」日向で第3期増強
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:旭化成
ハイポア

旭化成イーマテリアルズ(本社:東京都千代田区、鴻巣誠社長)は28日、宮崎県日向市でリチウムイオン2次電池用セパレータ(注)「ハイポア」の能力増強(第3系列)を決めたと発表した。現在建設中の第2系列プラントと並行して工事を進める。

「ハイポア」は、ポリオレフィンを原料とした多孔質フィルム。同社はリチウムイオン2次電池用セパレータとして世界シェアの約5割と最大のポジションを占めている。

リチウムイオン2次電池の需要は、パソコンなど電子・情報関連機器向けに好調だが、今後はハイブリッド車や電気自動車など次世代自動車の普及に伴いさらに拡大が見込まれている。

旭化成によると、現在世界の2次電池用セパレータの需要は年約2.9億平方メートル、2015年にはこれが4.6億平方メートルと年率約10%の勢いで増加する見通しだ。同社はこうした需要の拡大に対応するため、滋賀県守山市に続き、宮崎県日向市に生産拠点を設け、積極的な事業展開を図ってきた。

今回の増強設備の稼動により、守山・日向両工場トータルの設備能力は約2億平方メートル/年となる。

<設備増強計画の概要>
(1)工場所在地  日向市細島4 区工業団地 (旭化成 所有地内)
(2)事業内容 リチウムイオン2次電池用セパレータ「ハイポア」の製造
(3)設備能力  第3系列 1,500 万平方メートル/年
(4)設備投資額  約20億円
(5)操業計画  着工=本年10月 商業運転開始=2011年6月(予定)

<「ハイポア」生産能力の状況>
・ハイポア工場(滋賀県守山市) :1 億5,000万平方メートル/年
・ハイポア日向工場(宮崎県日向市):2,000万平方メートル/年(第1系列 本年4月商業運転開始)
※第2系列(2,000 万平方メートル/年)2011年4月商業運転開始予定
※第3系列(1,500 万平方メートル/年)2011年6月商業運転開始予定

【用語の解説】
■セパレータとは:
IT 携帯機器に搭載されるリチウムイオン2次電池の正極・負極間に位置するフィルムで、正極と負極の接触を遮断しショートを防止すると同時に、正極・負極間でリチウムイオンを透過させる機能を有する部材をいう。

ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1288243570.pdf