2001年03月13日 |
経済産業省、対中輸出で業界に“警告” |
「国内と海外、統一した価格体系必要」 |
【カテゴリー】:行政/団体 【関連企業・団体】:経済産業省 |
ポリスチレン7社が中国のアンチダンピング調査に応訴する方針を決めたが、“言い分”はそれぞれにあるようだ。細かい点はともかく、今のところ各社に共通しているのは次の3点。 (1)輸出価格は国際市況に合わせて独自に成約しており、ダンピングの事実はない。 (2)「訴状」によると、中国側が主張する日本のPS国内価格や輸出価格は実態とかなりかけ離れている。また、日本の生産能力は需要とバランスがとれており「設備過剰」という指摘は当たらない。 (3)国内産業にダメージを与えたというなら、香港、台湾から入っているPSも同じではないか。日本、韓国、タイの3カ国だけを対象にしたのはなぜか。 しかし、中国側にも複雑な背景はあるようで、経済産業省によると、中国はいまWTO加盟を控えて大胆な経済の構造改革に取り組んでおり、国営企業の民営化や赤字企業のリストラ、整理を急いでいる。このため赤字企業は、その理由として輸入品の安値攻勢をあげる傾向にあるという。 今度のアクリル酸エステルやポリスチレンをめぐる問題にどのような結論がくだされるかはもちろん分からないが、中国内には赤字経営で苦しんでいる企業は多いといわれる。そうなると、「これからも提訴に動く企業が出てくることが予想される」と当局は懸念している。 「化学業界の各社はそれぞれ社内で国内と海外の価格体系を整え、統一した売り方を心がけてほしい」と同省化学課では“警告”している。 |