2010年11月08日
三井化学が11中期経営計画、13年営業利益目標1,000億円
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:三井化学
記者会見する田中稔一社長

三井化学の田中稔一社長は8日に記者会見し、11中期経営計画(2011-2013年度の3カ年計画)を発表した。これは、「新たな成長基盤の構築期間」との位置づけで策定したもので、2013年の連結経営目標として営業利益1000億円(売上高1兆8000億円)、ROA:6%以上を掲げた。

中計基本計画では、景気変動を受け難い事業の拡大を「重点5事業の拡大」、競争優位事業のグローバル拡大を「世界トップ5事業の強化」、将来のコア事業創出を「育成5領域の創出」、国内勝ち残りを「事業再構築」—の4本柱とした。

「重点5事業」は、(1)精密化学品(ヘルスケア・触媒)、(2)農業化学品、(3)機能フィルム・機能シート・不織布、(4)コーティング・接着材、(5)エンプラ・コンパウンドーの5事業で、2010年の営業利益(250億円)を2013年には650億円に引き上げる。このため、1000億円規模の戦略的なM&Aを含めてグローバルに展開する方針で、3年間に投融資総額550億円を投入する。

「世界トップ5事業」は、フェノール・チェーン(世界第2位)、PO系コンパウンド(同1位)、エラストマー(同2位)、メタロセンポリマー(同3位)、高屈折率メガネレンズ(同1位)—の5事業。3年間に投融資総額650億円を投入する。

「育成5領域」は、太陽光発電、電子・情報フィルム、エコ自動車、次世代機能化学製品、バイオマス化学品—の5領域で、3年間にR&D投資240億円を計画している。この5領域合わせて2017年の売上高2000億円をイメージしている。

「事業再構築」は、石化事業の再構築であり、汎用PEの付加価値製品への転換、汎用PPのプラント統廃合、ウレタン事業(MDI)の再構築に着手するほか、国内生産拠点の徹底的な合理化、間接部門のスリム化(本社社員7200人体制)に取り組む。

田中社長は、「厳しい経営環境だが、黒字定着化は実現できた」としたうえで、今後は、「景気に左右され難い機能製品比率60%(営業利益1000億円の60%)を目指して、攻めの経営を展開したい」と強調した。