2001年03月13日 |
BASF、バイオ技術による合成法でビタミンB2の生産性を向上 |
ビタミン生産用菌類の生産性を20%向上 |
【カテゴリー】:ファインケミカル 【関連企業・団体】:BASF |
BASFは、スペイン・サラマンカ大学との協力により、バイオテクノロジーを用いた合成法でビタミンB2の生産性を大幅に向上することに成功した、と発表した。同大学は、菌類の一種であるAshbya gossypill(学術名)の研究を進めており、BASFはこの協力を得て1990年からドイツ本社で主要なビタミンを生産している。現在同技術によるビタミン生産量は年間1,000トンを超えており、今回の共同研究により菌類(微生物)の生産性が20%高めることに成功したもの。また、サラマンカ大学は、この成功に対しBASFに大学初の学長賞を授与した。 BASFのクレーガー博士は、「受章は大学と産業とのすばらしいチームワークの証であり、とても喜ばしい」と語った。同博士は生物学者で、BASF中央研究所において微生物による合成の研究を指揮、サラマンカ大学のレブエルタ教授と5年間にわたる共同研究を行ってきた。さらに同博士は、「この賞は、産学共同の科学研究の成功と、産業における実践の成功を認めたものである。BASFはすでに10件以上の特許を申請した」と続けている。 今回の研究では酵素が重要な役割を果たした。これらは、微生物により形成される有機化学物で、一つ一つが新陳代謝の中である反応を制御する。例えばある種の酵素はAshbya gossypill菌を植物油中での生存を可能にし、そこからビタミンB2を作り出させる。レブエルタ教授は、どの酵素がAshbya gossypill菌のビタミンB2合成に関係しているかを発見、これによりBASFの研究者が菌類の生産性向上を実現したという。 |