2010年11月15日
タイのインドラマ、米国と中国でPET、ポリエステル等の工場を買収
【カテゴリー】:海外
【関連企業・団体】:なし

タイのインドラマは11月12日、インビスタから南カロライナ州のPETとポリエステル・ステープルの工場と、メキシコ子会社の同事業を買収すると発表した。

買収する米国の工場はSpartanburg にあるPET、特殊ポリマー、繊維、フィルムの製造設備(能力 470千トン)、メキシコの工場はPET、特殊ポリマー、繊維の製造設備(能力 535 千トン)で、買収金額は流動資産、債務を含め、合計で現金で420百万米ドル。


11月12日に調印しており、買収完了は2011年の第1四半期を予定している。

インビスタ(元デュポンの繊維部門)は北カロライナ州と欧州の工場は維持する。

インドラマは1974年、インドで設立され、インド、インドネシア、タイなどでPTA、PET、ポリエステルなどの事業を拡大した。
創業者のML Lohia は事業を3人の息子に分割した。長男 OP Lohiaはインド、次男 SP Lohia はインドネシア、三男 Aloke Lohia はタイを受け継いだ。同じような事業を行っているが、それぞれが独立して事業を行っている。 

タイのインドラマは三男Aloke Lohia が引き継いだ会社(その後、Alokeが株を手放し、上場)で、現状は添付別表の通り。


米国では先ず、北カロライナ州のPETメーカーのStarPetを買収した。 (現在能力225千トン)

その後、米国でAlphaPetを設立し、2009年にアラバマ州に432千トンのPET工場を建設した。これはBPのPTA工場に隣接しており、最新の技術を導入している。

今回の買収で、インドラマは、ラテンアメリカへの進出、特殊PETファイバー市場への進出、R&D能力の向上、既存プラントとの統合、生産のフレキシビリティ増大のメリットを得て、世界のPETのリーダーとなる。

なお、以前に世界最大のPETのメーカーであったイーストマンは本年10月にPET事業をメキシコのAlpekに売却した。

イーストマンは売却の理由として、北米のPETの需要が炭酸ソフト飲料の消費の減と容器の軽量化で年2〜3%の伸びにとどまり、アジアからの輸入も増えているなかで、隣接のBPからPTAの供給を受け、コスト競争力のあるインドラマのアラバマ州の工場がスタートしたことで、今後も売価の是正は難しいと判断したとしている。

インドラマは11月11日に、広東Shinda UHMWPE社から広東省開平市にあるPETポリマーとポリエステルポリマーの工場を買収すると発表した。工場の能力は406千トン。

同社は中国に100%子会社を設立し、中国進出への足がかりとする意向だ。

【関連ファイル】
タイのインドラマの能力(単位:千トン)
https://www.chem-t.com/news/files/tmp_file1_1289799919.xls


        ポリエステル  
    PTA PET Polymer 繊維  
タイ Rayong 700        
  Map Ta Phut 540 108 144    
  Nakhon Pathom       100 2008年Tuntexを買収
  Lopburi   180      
タイ合計 1,240 288 144 100  
英国 Workington   155     2008年Eastmanから買収
オランダ Rotterdam 360 200      
リトアニア Klaipeda   198     2006年Orion Global PET設立
イタリア Ottana 190 150     PCH Holdingsとの50/50JV
Equipolymers(Dow/PIV)から買収
欧州合計 550 703      
USA Asheboro   225     2003年StarPet買収(当初116千トン)
  Decatur   432     AlphaPet 2009年稼動
米国合計   657      
総合計 1,790 1,648 144 100