2010年11月15日
セラニーズ、中国で石炭からエタノール生産
【カテゴリー】:海外
【関連企業・団体】:なし

(上海発=特約)

セラニーズは11月9日、同社が酢酸の開発を通じて開発した先端技術を使用し、中国で石炭からエタノールを製造する工場を建設すると発表した。

約7億ドルを投じて、年産40万トンの工場を2つ建設する計画で、立地は交渉中。認可後30ヶ月で生産を開始する。
同社では、Coal-to-Ethanol は既存のコーンなどの醗酵法に比較し、低コストであるとしている。

この技術では産業用と燃料用のエタノールを生産できるが、同社では産業用(ペイント、コーティング、インキ、医薬などの原料)を考えている。
中国ではエタノールを産業用に年間およそ300万トン消費している。市場は年に8〜10%の伸びで、5年後には更に150万トンが必要となる。
なお、同社はこの技術を燃料用エタノール生産に使用することも考えている。

セラニーズはまた、2012年後半にテキサス州 Clear Lakeで、天然ガスを原料に年産4万トンのエタノールを自消又は外販用に生産することを計画している。

ASIACHEM Consultingによると、中国では中国科学院大連化学物理研究所(DICP-CAS)と、神華集団が資金を出した国立研究所NICE(National Institute of Clean-And-Low-Carbon Energy)が合成ガス
からのエタノール製造を研究している。
石炭を原料にする場合、先ず石炭ガス化で合成ガスを製造、触媒を使って合成ガスからエタノールを作り、最後にエタノールを精製する。
この場合、80万トンのエタノール製造には260万トンの石炭が必要。

セラニーズは南京産業パークで自社のAOプラス法を使用し2系列合計120万トンの酢酸を生産しているが、原料は惠生(南京)化学が石炭から製造する合成ガスを使用している。惠生(南京)化学はテキサコの石炭ガス化技術を使用している。