2001年03月13日
中国のPSダンピング調査に国内から7社が応訴
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品
【関連企業・団体】:新日鐵化学、大日本インキ化学工業、電気化学工業、東洋スチレン、日本ポリスチレン

 中国政府が2月9日に、日本、韓国、タイ3カ国に対しPS(ポリスチレン)のアンチダンピング調査の実施を公布した件ついて、期限であった3月9日までに国内PSメーカー5社(出光石油化学、エー・アンド・エム スチレン、大日本インキ化学工業、東洋スチレン、日本ポリスチレン)および輸出を行っている新日鐵化学と電気化学工業を加えた7社はそれぞれ、応訴申請書を提出したことが明らかとなった。これにともない13日中にも調査票が届くと見られ、各社は受け取り後37日以内に調査票に記入して返送する必要がある。
 この問題は、中国の対外貿易経済合作部が、日本、韓国、タイ製のPSを対象にアンチダンピング調査の実施することを2月9日に公布、以後同国のダンピング及び反補助金条例に基づき、同合作部がダンピング状況とダンピングマージンを、国家経済貿易委員会が対象のPS輸入が中国国内産業に与えた被害状況を調査するもの。
 今回日本のメーカーだけでなく、韓国、タイのPSメーカーも全社応訴したと見られており、これで調査が本格的に始まったことになる。ただし過去の例から考えても、解決には1年以上を要すると見られる。
 なお、業界関係者からは、「韓国はすでに、中国と政府間レベルで話し合いを進めていると聞いている。日本の政府もこれをPS業界だけの問題とせず、積極的な対応をして欲しい」といった要望も聞かれる。