2010年11月19日
長谷川製薬協会長が会見「イノベーション支援の仕組み必要」
【カテゴリー】:行政/団体
【関連企業・団体】:武田薬品工業

日本製薬工業協会の長谷川閑史会長(武田薬品工業社長)は18日の定例記者会見で、新薬創出国としての基盤を揺るがしかねない問題の一つとして外資系企業が研究開発拠点を相次いで日本から撤退している問題を取り上げた。

具体的に、ファイザーが名古屋から、バイエルが神戸からそれぞれ撤退し、GSKが筑波からシンガポール、上海に、ノバルティスも筑波からシンガポール、上海にそれぞれ拠点を移した実態を紹介したうえで、「R&D拠点を日本でクローズして中国にシフトしている動きが目立つ。これは、日本にイノベーションできる仕組みができていないのが原因であり、イノベーションを支援する仕組みが必要である」と指摘した。

また、当面する課題の一つとして「官民対話の復活」をあげた。長谷川会長は「民主党政権になってから官民対話は一回も行われていない」としたうえで、「成長産業としての製薬産業・医療機器産業の国際競争力強化と新成長戦略に関連する政策を政治・行政と産業の双方が提言・協議していく場にしたい」と語った。