2001年03月13日
三井化学、フェノールを国内外で相次ぎ増設へ
シンガポールは1ヶ月前倒しで商業運転開始
【カテゴリー】:海外
【関連企業・団体】:三井化学

 三井化学はコア事業のフェノールおよびアセトン誘導品事業の拡大・強化を図るため、既存の国内およびシンガポールのフェノール設備の増強に踏み切る。
 国内では、市原、大阪の設備を対象にそれぞれ1~2万トン程度、シンガポールでは数万トン程度の調査を実施し、来年中の増強完了を目指す。
 シンガポールでは今月末にフェノール年産20万トン・アセトン12万トンの新設備が完成するが、試運転後5月末までに原料フィードを開始、当初の予定よりも1ヶ月程度前倒して8月に営業運転の開始を決めている。
 同社では、フェノール誘導品であるビスフェノールAについて、シンガポールで今年11月に第2系列7万トン、来年10月には第3系列7万トン設備が完成予定で、合計21万トン体制構築を進めている。さらに、シンガポール・石化コンプレックス内での原料としての引き合いが増加していることもあり、次期フェノール設備の倍増設を計画している2005年前に原料確保の必要があるとして、来年の定修時に増設を行う方針を固めたもの。
 国内においても、BPA設備の相次ぐ増設がある中、原料のフェノールについては目立った増設計画も無く、同社では既存設備を可能な限り増強することで、玉確保・安定供給を行うとしている。