2001年03月12日 |
東南アジア地域のエチレン相場がさらに続伸 |
3月末渡しはCFR・トン600ドルに迫る |
【カテゴリー】:海外 【関連企業・団体】:三井物産、エクソンモービル |
三井物産など大手商社筋によると、東南アジア地域向けのエチレンのスポット価格がここにきてさらに上昇してきた。3月末~4月初旬渡しの価格は最も安いケースでトン当たりCRF580ドル、高値は同600ドル弱となっている。1ヵ月前に比べると同70ドル前後のアップとなる。 最近の東南アジア地域におけるエチレンの取り引きの主体は、シンガポールやタイからインドネシアやフィリピンに対するコントラクト輸出で占められている。かつて活発に行われていた日本と台湾、あるいは韓国と台湾といった極東同士のデリバリーは現在ほとんど見られない。したがって、極東における取り引き価格にはあまり変化がない。 それに対して東南アジア地域向けが続伸しているのは、シンガポール・エクソンモービルの大型エチレンプラントの稼動開始の大幅な遅れ、中東諸国からのエチレン船の配船の遅滞、タイ・NPCのエチレン装置の操業率低下、L-LDPEなど誘導品の需要の拡大--等によってエチレンの需給のタイト感が一段と鮮明になってきたためと見られている。大手商社の中には、中国による樹脂の輸入オファーが縮小しなければ、同地域のエチレンの価格は同600ドル台に乗る可能性があると判断する向きが多い。 |