2010年11月30日
最大規模の「2010環太平洋国際化学会議」12月15日にハワイで開幕
ノーベル化学賞の根岸教授が帰国後初講演
【カテゴリー】:行政/団体
【関連企業・団体】:日本化学会

アメリカ化学会、カナダ化学会、日本化学会など、世界7カ国の学会が主催する「2010環太平洋国際化学会議」(PACIFICEMIEM2010=ペシフケム2010)が12月15日から20日までの6日間、ハワイのホノルルで開催される。

これは、1979年4月に日本化学会創立100周年記念事業の一環としてホノルルで研究発表会「日米化学合同年会」を開催し、参加者8300人(うち日本3700人)、研究発表4800件(うち日本1800件)を数え大きな成功を収めたのが始まりで、以降、カナダなども参加して5年に1回開催し、今年が6回目になる。

今回の会議では、中国化学会が初めて主催学会に加わった。研究発表分野は、13専門分野(前回は11分野)に分かれ、235のシンポジウム(同224シンポジウム)から成り立っている。

研究発表件数は1万3600件(同1万1501件)でこのうち日本から発表される論文は約6400件(同5767件)となっており、過去最大の規模となる。日本に次いで研究発表件数が多いのが米国2992件、カナダ923件、韓国782件、中国521件、オーストラリア364件、ドイツ281件などとなっている。日本が極めて多いのは、伝統的に学生の研究発表が多いためだと日本化学会では説明している。

とくに今回は、専門分野を(1)中核的科学分野(2)学際領域(3)社会・未来課題—の3つの領域にわけている。また、傾向としては「代替エネルギー分野」の発表件数が増加している。

なお今回は、先にノーベル化学賞を受賞した根岸英一・パデュー大学教授が帰国後初講演を行う。研究発表テーマは「ZACA—リパーゼを触媒とするアセチル化、パラジウムや銅を触媒とするクロスカップリングを用いた種々の光学活性有機化合物の合成法の開発」となっており、早くも人気を集めている。