2010年12月02日
BASF、アジア・太平洋で次世代型自動車分野の市場拡大
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:BASF

BASFのアルベルト・ホイザー・アジア太平洋地域・事業開発担当プレジデントとハーマン・アルトフ・アジア・太平洋地域エンジニアリング・プラスチック担当シニア・バイスプレジデントの両氏は2日、「BASFの次世代型自動車向けソリューション説明会」で、「軽量化、燃料電池技術を軸にアジア・太平洋地域で市場拡大を図る方針」を明らかにした。

BASFが自動車分野に注力する理由について、アルベルト・プレジデントは「BASFは自動車業界に対するグローバルな化学系サプライヤーとして世界でナンバーワンであり、BASFにとって自動車分野は汎用化学品に次ぐ第2位の収益源であるから」と強調した。

とくに、自動車の軽量化については、「ボディー・パネルや構造部品インサート、さらにモーター・ハウジングやエンジン・マウント、コネクタなどのプラスチック化で軽量化を推進している」とし、バッテリーについても「平均的には電気自動車で450キログラムのバッテリー・バッグであるが、エンジニアプラスチックで40%も削減できる」と指摘。さらにバッテリー技術についても「リチウムイオン電池で最大2000回の充電が可能だが、BASFではリチウムイオン電池の充放電サイクルを増やし、効率とエネルギー密度を向上するNCM(ニッケル・コバルト・マンガン)陰極材料を製造している。これは、第3世代燃料電池になるもので、エネルギー密度は2倍以上になる」という。

これが電気自動車に搭載されれば航続距離が飛躍的に引き上げられる。さらに「高温型の高分子電解質膜(PEM)燃料電池の開発にも取り組んでいる」という。

これは「ディーゼル燃料やメタノールを水素に変換して燃料電池に供給し、電気自動車のバッテリーを連続的に充電したり、必要に応じて車内の暖房に使えるもの」だという。

BASFでは、こうした次世代型自動車分野の技術でアジア・太平洋地域の市場拡大を図る方針である。