2010年12月07日
プライムポリマー、11中計で「収益力強化」方針発表
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:プライムポリマー

プライムポリマー(PRM)の大多和保彦社長は7日、“徹底した合理化と差別化の加速で収益力強化を目指す”とした2011-2013年の3カ年の中期経営計画「変革から成長と飛躍へ」を発表した。

同社は現在ポリプロピレン(PP)年産136万トン、ポリエチレン(PE)同68万トン(HD33万トン、LL35万トン)計204万トンの生産能力を持つポリオレフィンの大手メーカーで、事業目標として2013年に売上高4,200億円、営業利益170億円を達成して「変革」(事業基盤の再構築)を行い、2015年には売上高5000億円、営業利益250億円へと「成長と飛躍」(事業の拡大)を遂げる事業展開方針を示した。

これらを達成するために(1)国内事業の収益改善(2)付加価値分野へのシフト加速(3)海外事業の拡大—を推進する。

具体的には、ポリエチレン(PE)事業戦略として(1)高密度ポリエチレン(HDPE)付加価値化と汎用分野の再構築(2)エボリュー(メタロセンLLDPE)事業の拡大を掲げ、一方のポリポロピレン(PP)事業戦略では(1)国内構造変革による収益力の強化(2)産業用・包装用材分野での付加価値市場の獲得や自動車材分野でのグローバル展開の強化など事業強化策の展開—をあげている。

このうちPE事業では、2015年のHD設備集約も視野に入れ、高剛性・高強度メタロセンHDによる市場創出など付加価値分野へのシフトを図るほか、年産6万トンの能力増強や2015年までに第2プラント(30万トン)建設を視野に入れる。

一方、PP事業では、2011年3月3月に宇部ポリプロ(9万トン)の停止により、稼働率を83%から96%に引き上げ、国内需要次第では更なる能力削減も検討し稼働率向上で収益力強化を図る考え。

PPの自動車材グローバル展開の強化では、中国、タイ・インド、北米での能力増と南米での新拠点の検討などでコンパウンドの生産能力を2010年の74万トンから2013年までに84万トン体制とする。この間の投資額は50億円以上を見込んでいる。

全社レベルでの国内収益力の強化としては、2013年に2009年比で70億円のコストダウン(販売費削減や研究効率化で25億円、生産合理化で45億円)の合理化計画を実施する。

付加価値分野の拡大では、2010年に付加価値分野70%だったが2015年に85%に拡大する方針。海外事業の強化では海外比率を2010年の25%から2015年に40%に引き上げる方針である。

2013年までの投融資計画は、3年間で360億円(11中計前の3カ年では200億円)で、このうち200億円を戦略投資とする計画である。