2010年12月13日
経産省、ノンフロン化に向けた技術開発2件と実証支援事業に着手
【カテゴリー】:行政/団体(環境/安全)
【関連企業・団体】:経済産業省

経済産業省は、地球温室化防止のため代替フロン等の排出削減技術推進などノンフロン化に向け、平成22年度補正予算で「代替フロン等排出削減先導技術実証支援事業」(予算額5億円、23年度予算案で8.2億円)に着手するほか、23年度予算案で「革新的ノンフロン系断熱材技術開発プロジェクト」(同2億円)と「高効率ノンフロン型空調機器技術の開発」(同5億円)の2件の技術開発プロジェクトを実施する。

代替フロン(HFC、PFC、SF6)は、空調機器の冷媒や断熱材の発泡剤、半導体・液晶製造時のエッチングガス、金属鋳造時のカバーガスなどに使用されているが、いずれも京都議定書の規制対象であり、しかも温室効果がCO2の数千倍と高いのがネックになっている。

そこで同省は、今年度補正予算で「代替フロン等排出削減先導技術実証支援事業」に着手し、ノンフロン冷媒の冷凍・冷蔵技術など先進的技術の普及促進のための現場実証事業に対し、その排出削減効果の大きさに応じて一定規模(1/3〜2/3)の補助を行う。23年度予算でも継続して実施する。

一方、ノンフロン化に向けた技術開発プロジェクトでは、「革新的ノンフロン系断熱材技術開発プロジェクト」で、代替フロン(HFC)に比べて断熱性能が低下せずに冷凍倉庫等の高い断熱性能を有する断熱材技術開発プロジェクトに取り組む。ノンフロン化の更なる促進と断熱性能向上による省エネの両立実現を目指す。

発泡の超微細化や複合化など革新的な技術開発により、従来ノンフロン品に比べて30%以上の性能向上を目指す。このため(1)超微細(ナノスケール)発泡技術(2)シリカとの複合材等の高断熱素材の開発—などに取り組む。

また、「高効率ノンフロン型空調機器技術の開発」では、低温室効果冷媒を用いつつ高効率の業務用空調機器を実現するための革新的技術の開発を行う。

具体的には、(1)低温室効果の冷媒(CO2等)で高効率化を達成する圧縮機や熱交換器など主要機器の開発(2)高効率かつ低温室効果の新冷媒の開発—に取り組む。各冷媒について使用条件等に対応した安全性評価(可燃性、毒性等)、物性評価を行い規格制定につなげていく方針である。