2010年12月15日
LANXESS、DSM Elastomersを買収
【カテゴリー】:海外
【関連企業・団体】:なし

Lanxess は12月14日、DSMからDSM Elastomersを310百万ユーロで買収する契約を締結した。
DSM ElastomersはKeltanブランドのEPDMを製造している。

DSMはLife SciencesとMaterials Sciences、及び中国を中心とする新興市場を今後のコアビジネスにしている。

DSM Elastomersは、世界シェアの約16%を占めるEPDMとEPDMベースの熱可塑性エラストマー(商標Sarlink)から構成されるが、いずれもこれから外れている。
DSMは9月に熱可塑性エラストマー事業を米国のコンパウンド会社のTeknor Apex に売却すると発表した。EPDMについても売却する意向を示していた。
既報 http://www.chem-t.com/cgi-bin/passFile/NCODE/29832

DSMはEPDMをSittard-Geleen(オランダ)とTriunfo(ブラジル)で生産している。前者の能力は16万トン、後者は4万トン。

同社は1989年に出光とのJVの出光DSMを設立し、千葉でEPDM 年産4万トンの生産をしていたが、2003年にオランダにプラントを建設、2004年9月末に千葉での生産を停止し、JVを解散した。
同社はまた2004年に、老朽化した米国ルイジアナ州Addisの工場を停止している。

DSM Elastomersは2008年にNOVA Chemicalsから世界の独占実施権を得たシングルサイト触媒を使用してEPDMの生産を開始した。
エネルギー消費を節減、コストダウンになるとともに、適用範囲を拡大するもので、DSMではこの製品をACE (Advanced Catalysis Elastomers)と呼んでいる。
Lanxessではこの技術を得て、技術ベースを強化する。

Bayerから分離独立したLanxessもBuna EPのブランドでEPDMを製造している。
ドイツのMarlと米国のOrangeに工場を持っており、合計能力は12万トンとなっており、今回の買収で合計能力は32万トンとなる。

Lanxessの Technical Rubber Products 部門は2009年の売上高が24億ユーロで、EPDMのほか、CR、HNBR、エチレン酢ビゴム、NBRを扱っている。
上記2工場のほか、ドイツの LeverkusenとDormagen、フランスのLa Wantzenau に工場を持ち、従業員は約1,000人。