2001年03月08日 |
中国ダンピング公聴会出席の濱田室長「日本政府の意見伝えた」 |
アクリル酸エステル「初めて問題点指摘」 |
【カテゴリー】:行政/団体 【関連企業・団体】:経済産業省 |
アクリル酸エステルのダンピング輸出をめぐる中国政府の公聴会に出席した、経済産業省製造産業局の濱田昌良機能性化学品室長は8日、「日本政府の意見は述べてきた。ある程度理解は得られたと期待している」と、公聴会の様子や印象を語った。 濱田室長によると、公聴会は6日北京で中国にアクリル酸エステルを輸出している日本3社、米国、ドイツ各1社、計5社の代表者(中国人弁護士)ら数十人が出席して開かれた。 席上、同室長にも発言の機会が与えられ、日本政府を代表して意見陳述したという。 同室長は冒頭、中国のWTOへの加盟が近いとの国際的な中国の立場を取り上げ「日本は早くから中国をサポートしてきた。実現すれば大歓迎することになろう」と日本政府の意向を伝えたあと「しかし、WTO加盟が目前なら、なおさらWTOルールにのっとり、公正で、透明性のある調査、判断を期待したい」と述べた。 つづいて今回の問題点として次の3点をあげ、理解を求めた。 (1)日本企業の申し立てによると、アクリル酸エステルの輸出価格は、調査対象となった当時はナフサ価格や原料プロピレン価格が下がり国際市況も当時は相当低かった。単に輸入価格が安いだけでダンピングとは認定できないのではないか。 (2)中国政府は、国内産業の被害状況を国家経済委員会、輸入価格問題を対外経済合作部と、2つの機関で調査しているが、一方は1996年~98年を対象に、もう一方は1999年を対象に調査しており、タイミングがずれている。整合性をとるべきと思う。 (3)中国側でダンピング提訴している3社のうち上海・高橋石油化工公司はアクリル酸エステルを生産するだけでなく、日本からの輸入も行っている。申請資格者をきちんとすべきではないか。 公聴会はただ意見を述べる場なので、これに対する意見や反論は出なかった。しかし、濱田室長は翌日も中国政府幹部に会い、同様趣旨のことを伝えて「ある程度理解が得られたという感触を受けた」と語っている。 |