2010年12月20日 |
昭和電工、塗料、接着剤向けに機能性モノマー事業強化 |
川崎にチオール系硬化促進材料「カレンズMT PE1」本格設備着工 |
【カテゴリー】:経営 【関連企業・団体】:昭和電工 |
昭和電工は20日、UV(紫外線)硬化性樹脂(注1)やエポキシ樹脂の硬化促進材料として「カレンズMT PE1」の需要伸張が見込めるところから、川崎事業所に本格設備を建設すると発表した。投資額は約5億円で、プラント規模は年産数百トン。2011年央には営業運転を開始する。 UV樹脂やエポキシ樹脂は、塗料・コーティング、接着剤などの分野に使用されているが、需要は国内だけでなく、アジア各地でも今後着実に増加すると見られている。このため、これら機能性モノマー事業の拡大に注力する。 UV硬化性樹脂に「カレンズMT PE1」を使用した場合、紫外線照射量や重合開始剤の使用量を低減させることができる。エポキシ樹脂の場合は従来のアミン系硬化剤(注3)より低温で硬化し、硬化速度を速めることができる。また、従来のチオール系硬化剤と比べて臭気が少ない。 同社はこれまで、エレクトロニクス分野向けに、イソシアネートモノマーを「カレンズ」シリーズとして販売してきた。 「カレンズMT PE1」は、ほかにも建設・船舶等の分野で需要の高まっている塗料・コーティング、接着剤向けエポキシ樹脂の硬化促進材料として有望なことから、今回、多官能チオール「カレンズMT PE1」として事業拡大を図っていくことにした。2015年までにこれらシリーズの売上高を60億円まで引き上げる計画だ。 ■用語の解説 (注1)UV硬化性樹脂 :紫外線の照射により物性が変化する光硬化性樹脂の一種。コーティング材料や、電子回路形成用のレジストなどに用いられる。 (注2)多官能チオール :分子内に水素化された硫黄基(-SH)を複数有する化合物 (注3)アミン系硬化剤 :分子内にアミノ基(-NH2)を有するエポキシ樹脂硬化剤。エポキシ樹脂と室温で反応し硬化物を形成する。 ニュースリリース参照 http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1292814813.doc |