2010年12月20日
漢邦(江陰)石化、年産60万トンのPTA 生産開始
【カテゴリー】:海外
【関連企業・団体】:なし

(上海発=特約)

漢邦(江陰)石化は12月10日から江蘇省江陰市でPTAの本格生産を開始した。

27.7億人民元を投じたもので、年産能力は60万トン。
2006年に国家発展改革委員会(NDRC)の承認を受け、2007年に建設を開始した。
PTAの技術はInvistaから導入した。原料PXは海外市場から輸入する。

既報 http://www.chem-t.com/cgi-bin/passFile/NCODE/22792

漢邦(江陰)石化は澄星グループ(Chengxing Group)が85%、香港の漢邦石化(Hanbang Petrochemical) が15%出資する。

澄星グループは江陰市に本拠を置く化学会社で、燐酸系化学品、ポリエステル、肥料を生産する中国最大の燐酸のメーカーの一つで、液体化学品の物流の大手でもある。

澄星グループは江陰市に30万トンのPETプラントを持っている。
DupontのNG3 PET技術を導入したもので、現在は原料のPTAを市場で購入している。
今後は漢邦(江陰)石化はPTAを澄星に供給し、残りは外販する。

このPTA計画は2009年の政府の石油化学景気刺激策に含まれている。

石油化学景気刺激策にはPTAでは他に、佳龍投資/新疆華凌の福建省泉州市石獅地区での60万トン計画と、東方希望の重慶市フ陵区の60万トン計画が含まれているが、前者は2010年8月、後者は2009年末に生産を開始している。

なお、江陰市では Dragon Group と大手PETメーカー三房巷グループとの50/50のJV 海倫化学(Hailun Chemical)が2005年に60万トンPTAプラントの建設を開始したが、資金問題などで棚上げとなっていた。
2010年第2四半期に銀行から融資を受け、現在建設中で、2011年上期に完成する見込みとなっている。

中国は2009年にネットで、508万トンのPTA、337万トンのPXを輸入している。