2010年12月21日
東レ、“ナノアロイ”生かし新たなポリマーアロイ技術を開発
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:東レ

東レは21日、従来の溶融混練法に代わり、低分子量のポリマー同士をアロイ化する新たなポリマーアロイ技術を開発したと発表した。2種類以上のポリマーをナノオーダーで混合する、独自の“ナノアロイ”技術を生かした。

これにより、組み合わせるポリマーの選択肢が広がり、これまで耐熱性や溶融温度が異なるために混合できなかったポリマー同士の組み合わせや、溶融混練が事実上不可能だった、熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂の混合も期待できるようになった。

同社は今後、同技術を繊維、樹脂、フィルム等の当社製品群に適用し、耐熱性や機械特性の優れた樹脂等、さらに技術開発を進め、3 年以内の製品化を目指す。

技術開発にあたっては、ポリマーの出発原料である低粘度の低分子量化合物を攪拌、混合、溶解し、分子レベルで均一なアロイ構造を形成した後、重合反応で生じる相溶性変化を利用し、ナノレベルのアロイ構造を形成させた。

■技術開発の詳細と特徴

(1)アロイ構造の成長機構を解析
低分子量化合物を用いた重合反応中のアロイ構造変化をリアルタイムで測定・解析し、分子量の変化を伴う構造成長の速度を定量化することに成功した。同時に重合反応による分子量の増加がアロイ構造の成長を著しく抑制することを見出した。

(2)重合反応に伴うアロイ構造の成長速度を制御
重合触媒や重合条件の最適化を図ることで分子量の増加速度を制御し、アロイ構造の成長速度を制御した。これにより数ナノメートルレベルと従来以上に微細で均一な3次元連続構造を安定的に形成させることに成功した。


ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1292905217.pdf