2010年12月27日
煙台万華ポリウレタン、寧波で新MDIプラント操業開始
【カテゴリー】:海外
【関連企業・団体】:なし

(上海発=特約)

煙台万華ポリウレタンは12月23日、浙江省寧波市の大シャ島で新しいMDIプラントの操業を開始した。
2007年にNDRCの認可を得て、同年に建設を開始した。

25億人民元を投じたもので、能力は300千トン、既存の300千トン(公称能力は240千トン)プラントに隣接する。
同時に、20億人民元を投じたアニリン(360千トン)、ホルムアルデヒド(240千トン)、 か性ソーダ(150千トン)もスタートした。
子会社の寧波万華が運営する。

煙台万華は現在、山東省煙台市に200千トンのMDIプラントを持っており、これで合計能力は800千トンとなる。

既報の通り、煙台万華はこの煙台の200千トンプラントの移転計画を実施中で、煙台の臨港工業区にMDI 600千トンプラントとともに、TDI 300千トン、苛性ソーダ 300千トン、ホムアルデヒド 240千トン、硫酸 540千トン、アンモニア 180千トン、ニトロベンゼン 480千トン、アニリン 360千トンのプラントを建設している。
  既報 http://www.chem-t.com/cgi-bin/passFile/NCODE/28029

これらは2013年に完成する予定で、この時点で200千トンプラントを停止し、MDIの合計能力を1,200千トンとする。

中国の2009年のMDIの輸入は101千トンで、29千トンと輸出している。

なお、煙台万華は本年6月に、資金難のハンガリーの塩ビ・ポリウレタンメーカー BorsodChemに140百万ユーロを出し、株式の38%を取得するとともに、2年以内に現在の大株主のPermira/Vienna Capital Partnersから残りの株式を買収し、100%株主となるオプション契約を締結した。

BorsodChemは1949年設立で、一時ロシアのガスプロムが密かに買収を図った。
2006年に欧州最大の買収ファンドの英 Permira とオーストリアのVienna Capital Partners がつくったファンドが全株式を取得した。

同社の能力は次の通り。 

 塩素:水銀法 125千トン
 VCM: 320千トン
 PVC:330千トン(うち、150千トンは信越化学が1973年にChemocomplex に技術供与したもの)
 MDI:190千トン
 TDI:90千トン(2011年にS&Bで200千トンに)

 ほかに、ポーランドでBTX、チェコでアニリン、シクロヘキシルアミン、特殊アミン類を生産している。

BorsodChemは現在、200千トンのTDIプラントと硫酸プラントを建設中で、完成後に既存の90千トンプラントを停止する。
煙台万華からの140百万ユーロはこの資金に充てる。